「ヒューマンファクトリー」人間性を重視した自己啓発型生産工場を追求 秋田ファイブワン工業

「イッセイミヤケ」、「ヨウジヤマモト」といったデザイナーズブランドの高級ジャケットやコートを製造する秋田ファイブワン工業。2018年度にも当マガジンで同社を取材させていただいています。

1973年創業以来、社員あっての生産工場として進めてきた佐賀善美会長(兄)のあとを2019年8月に引き継いだ佐賀善廣(弟)新社長に同社のビジョンや、秋田でのものづくりについて改めて取材をさせていただきました。

秋田ファイブワン工業とは?

秋田ファイブワン工業は、メンズ・レディースの毛芯加工の高級ジャケットから、軽いドンデン仕様のカジュアルなジャケットまで幅広く対応している繊維製品加工販売会社です。

冒頭にもお伝えした通り、同社は「イッセイミヤケ」、「ヨウジヤマモト」といった数多くのデザイナーズブランドの製品をOEM(相手先ブランドによる生産)で製造しています。また、高島屋やランバン、ミナ・ペルホネンの製品も手掛けています。

代表取締役社長 佐賀 善廣氏

デザインと原反(生地)は発注元から提供され、それ以降のCAD作業から、裁断・縫製・仕上げ・プレス等の作業はすべて秋田ファイブワン工業が行います。春夏秋冬の4シーズンオーダー対応は勿論、直近では月ごとに細分化された12シーズンオーダーにも対応しています。

この業界を生き抜くために

コスト削減のため、海外生産に移行しつつあるファッション業界。国内での生き残りが厳しい現状の中、同社は小ロット、多品種の高品質ブランド品を製造することで、生存競争を勝ち抜いています。

これまで同社は、高い技術とクオリティーを守るため、社員自ら進んで仕事に取組み、意欲を持って作業をする「自己啓発型生産工場」を標榜しながら取り組んで来ました。

このような取り組みが評価され、佐賀会長は、多年に渡りアパレル産業振興協議会の会長として、業界の振興と地域経済の発展に貢献したということで「秋田県工業功労者表彰」を受賞しています。また、2019年には地域経済をリードする中核企業として「地域未来牽引企業(経済産業省)」の認定を受けています。

同社はマルチな裁縫技術を備えた「多能工育成」で高品質なものづくりを可能とし、生産性を高めています。多能工は、一つの作業を繰り返すのではなく、さまざまな作業をひとりでこなすので、製品を作り上げていく喜びを味わいながら仕事ができます。

オペレーターは多種多様な製品にあわせて数台のミシンを使いこなす

各地の技術が実り製品が完成する「共同体」

2017年に高島屋から販売された「ハイブリッドシルク混ジャケット」。大ヒットしたこのジャケットは、原料に美濃和紙を使用し、高度な撚糸(ねんし)・染色工程を経て作った生地を、同社が高い技術力を発揮することで完成させました。

完成したジャケットは着心地、涼感、見栄え、吸水速乾、消臭、そして手洗いも可能となり、これまで類を見ない高品質なものに仕上がり、オーダーメイドしか着ないような方々にも受け入れられました。

実は、「ハイブリッドシルク混ジャケット」の最終作業工程である「縫製」は、秋田ファイブワン工業が担当しています

「このジャケットのように、これからは各地の技術を結集して製品を完成させる『共同体』に注目し、さらなる展開を見据えていきたい」と、佐賀社長は「技術の秋田ファイブワン工業」としての高い知名度を生かした事業拡大を目指しています。

生産性の向上には「女子力」が必要

コンセント類などは綺麗に整理され常に作業しやすいスペースが確保されている

同社は生産性の高い仕事ができるよう、女性社員への気遣いを怠りません。

女子力が無ければこの会社は成り立ちません」(佐賀社長)

秋田市八橋にある工場へ勤務する社員は90名。そのうち72名は女性社員です。そのため、工場内の美しさ、清潔さ、職場が明るくなるような雰囲気づくりといった部分…すなわち女子力が仕事の質に左右してくるのだと佐賀社長。

より働きやすい環境をつくるために「小集団活動」という取り組みも実施しています。これは会社への要望・意見をグループで話し合い、まとめたものを管理部門へ提出し、改善を求めるといった活動で生産性のアップに役立っています。

工場内は明るく気持ちの良い吹き抜け。スピーカーからはおしゃれなBGMが流れている

従業員は目の前の業務が優先されるため、普段は経営側とのコミュニケーションがとれません。そのため、一人ひとりの意見を汲み取れるようにと、佐賀会長が毎月1日にその月に生まれた従業員と面談を実施しています。

面談後には、バースデーケーキをプレゼントする制度を設け、風通しの良い職場となるよう取り組んでいます。

女性が気持ちよく働ける環境をつくることが同社の基盤であり、ハイクオリティな生産を続けられる理由なのかもしれません。広く天井の高い工場には大きなエアコンがあり、冬は床暖房で足元を暖かくしています。

2階フロア
月末には社内掲示板に翌月生まれた社員の名前が掲示される

女性に優しい会社

入社1年目の佐藤愛菜さん(鳥海町出身)

こんなにサポートが手厚い会社はないです」(佐藤さん)

2019年春に新入社員として入社した佐藤さん。高校の先生の勧めで秋田ファイブワン工業への入社を決めました。同社の仕事をサポートしてくれる体制や職場の明るい雰囲気が入社する際の決め手となりました。

大手メーカーのデザインに基づき、一着一着に必要なパーツ部分を縫い合わせたり、アイロン掛けを行う生産工程の一員です。

入社して一年目ですから慣れない作業もあり、周りの上司や先輩からフォローを受けながら作業を進めています。ハイクオリティな品質を保つため、チェックは厳しく、直しがかかると全ての縫い目をほどき、一から作業をやり直すこともあるのだとか。「プレッシャーがかかる作業がほとんどですが、やりがいでもあります」と佐藤さん。

1人でいくつもの作業を受け持つ「多能工」について、佐藤さんは「最初は覚えるのに苦労しましたが、流れが分かってくるとできるようになりました。一見難しいと思われますが、慣れてくると大丈夫です」と回答された後、「女性に優しい会社なので、秋田で就職先を探している方におすすめです!」と同社のアピールポイントも語っていただきました!

募集する人材

秋田ファイブワン工業は現在、「縫製オペレーター」「縫製業に係る職種(裁断・プレス・仕上げ等)」「業務部」を募集しています。学歴や経験問わず、誠実で責任感のある方を求めています。

同社は女性が多い職場。そのため、女性が働きやすい職場環境や育休制度もしっかりと整っています(育休獲得は100%。復帰後も以前と変わらない部門で働けるなど)。また、高い技術を学ぶため技術者や先輩社員が個別に指導したり、作業全体の意味が理解できるよう一人で一着を仕上げる「着縫い勉強会」を開くなど、人材育成にも力をいれています。

最近では「女性が働きやすいうえにプロフェッショナルな仕事ができる」という口コミが広がり、専門学校でファッションを学ぶ学生たちにも注目されています。

全国的にみても高い技術力を誇り、一人ひとりが「プロ」という自覚を持って常に工夫をこらしながら作業に当たっている、そんなプロ集団の一員になってみたい!と考える方は、公式ホームページや秋田県就活情報サイト「KocchAke!」で詳しい情報をチェックしてください!

◆秋田ファイブワン工業の公式ホームページ

◆ 秋田県就活情報サイト KocchAke!

Kocchakeは、秋田県内企業の就活情報が満載のサイトです。

取材・文:じゃんご https://dochaku.com/

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