秋田県が市町村にコンサートを出前

さきがけ新報で、県庁がクラシックコンサートの出前を企画しているというニュースを読みました。

この企画、千秋公園の県民会館が建て替えられることになったのを受けて始まりました。新しいホールの完成は2021年度。オリンピックよりは後ですが、正直、おとなにとっては「すぐ」です。しかし、こどもたちにとって3年は長い!3年で中学生は高校生になりますから。

「こどもたちの情操教育には大きな損失だ!取返しのつかないことになる!!」っと考えたのかどうかはともかく、県は、芸術の振興による創造性豊かな地域づくりを支援することを使命とする一般社団法人「地域創造」(東京)が実施する「アウトリーチフォーラム事業」に応募して、みごと採用されたのです。

ま、いずれ、いいアイデアだと思います!

6月初めに、アウトリーチというものを理解し雰囲気を味わってもらうためのシンポジウムが秋田市のアトリオンで行われました。

アウトリーチ事業とはどんなものかを体験できるシンポジウムのお知らせ

県庁の観光文化スポーツ部文化振興課調整・文化振興班の佐藤亜希子さんに取材してみました。

Q:何回ぐらいやるんですか?

A:2年間に4つから6つの市町村でやります。今、市町村に手を挙げてもらっています。7月末ごろに決まります。

1つの市町村の学校や福祉施設で、3日間にわたり午前と午後に別々の開場で1日2回ずつコンサートをやります。そして4日目にはその市町村の公共ホールでのコンサートを実施します。

その総仕上げとして来年11月に県がコンサートを行います。アウトリーチに参加されたアーティストが出演します。

シンポジウムでは演奏家が親しみやすい動物のかぶりもので登場

Q:演奏家はどうやって選ぶのですか?

A:一般社団法人の地域創造が募集し、オーディションをするそうです。選考が1次、2次とあり、12月に決まります。

Q:どのような演奏家ですか?秋田出身の人が優先されるとかありますか?

A:地域創造が募集しているので、特に秋田の人を優先するということはありません。でも、私としては、県にゆかりのある人がいればいいなと思っています。

1つの町で7回コンサートをやるということですね。それを4つか6つの町で行うので、28回から42回ということかな。

参加できた方たちにはいい思い出になるでしょう。身近な場所で音楽を聴く経験が人生を変えたりすることもあります。

* * * * *

このニュースをみたとき、私が、「あ、これだ!」と思ったのには深いわけがあります。

私は数年前までは、クラシックにはそれほど興味がなく、母が上京するときに聴けるように来日有名演奏家のチケットを予約して一緒に聴きに行くぐらいでした。でも声楽を習い始めてからすっかりクラシック好きになっただけでなく、おせっかいにも、すばらしい演奏をするのにそれほど有名でない音楽家のライブ演奏をもっとたくさんの人に聴いてほしいと思うようになったのです。県庁の音楽のアウトリーチの計画は、そんな私がずっと頭の中で「こんなことができたらいいな」と思っていたイベントでした。

日本には、世界で活躍する音楽家がたくさんいます。東京だけで音楽大学が6つあり、合わせると毎年数百人の学生が卒業しています。でも、その中で音楽で身を立てられている人はごくわずか。国際コンクールで1位、2位ぐらいに入らない限りソロの演奏家として暮らしていくのは厳しい世界なのです。

でも、これはもったいなさすぎです。コンクールで入賞しなくても、聴いた人を幸せにできるすばらしい演奏家はたくさんいるのです。

調べてみると、東京では毎日のようにとてもたくさんのコンサートが行われています。行ってみると名前を聞いたことのないような演奏家でもすばらしい!!んです。最近は、いくつか名音楽ディレクターのいるホールを決め、3000円ぐらいのコンサートによく行っています。

しかし、多くの演奏家はそうしたコンサートを年1回やるのが精いっぱい。2時間ほどのプログラムのためにものすごい量の練習をしても、何回もコンサートをやって集客するのは難しいですから。なので、結局、練習に費やした時間などを考えると、割に合わないのです。

これも、すごくもったいない。同じ曲で何度もコンサートをやれればいいのだけど。だったら東京だけでなく地方でももっとやれたらいいのにと前から思っていました。

地方にはあまり使われていないホールがたくさんあります。コンサートが少ないですから住民には気軽にコンサートに行く習慣はありません。そのため地元のホールがいいコンサートを企画しても気づかずにいる人が多いのではないでしょうか。自治体は音楽を身近にしたいという思いで多くの自治体がホールを建てたのに、その運営がうまくいっていないのです。これも、もったいないなあと思っていました。

一方で、クラシック音楽には、嫌いじゃないけど、わざわざ自分でコンサートを探していくほどの関心はないという消極的ファンが意外と多い。そういう人は、何かの機会にコンサートに行くと、「よかったなあ、また行こう」と思うのですが、日々の生活の忙しさの中で、自分でコンサートをさがすところまでの思い入れはなく、また何年もたってしまう。

クラシック音楽って食わず嫌いな人が多いと思うんです。ですからコンサートを企画する人たちはファンが来るのを待つのではなく押しかけていくことによってもっとファンを増せると思うのです。

「α波」は絶対にあるので、心の休養のため、やすらかな眠り(笑)のため、ぐらいの気持ちで、ヨガやジムに行くスケジュールに、たまにコンサートを加えるなんていう感覚でコンサートが楽しめるようになったらいいなぁと思います。

「地域創造」という団体、知らなかったですが、いい活動をしていますね。応援していきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です